第7波に備える

第7波に備える

2022.7.7
院長ブログ

今年の6月末は例年にない高温・高湿状態が列島を襲い、多数の熱中症患者さんが発生しました。あまりに急激な増え方でしたので、当院にストックしていた点滴薬がなくなってしまうのではと心配したほどでした。当院で関わった患者様も数名熱中症関連でご逝去されたのは、慚愧に堪えない思いです。

一人でも多くの方が適切な熱中症対策をお取りになられ、もはや”備えられる災害”とも言える酷暑を無事乗り切られてほしいと願うばかりです。

さて、日本全国で新型コロナの感染者がこれまでにない勢いで増加しています。都の発表や医師間の情報によれば、現時点では若者中心として感染が拡大しており、幸い重症化する方は少ないようです。しかし、この波は必ず基礎疾患を有した方や高齢者に到達します。家庭内感染はもちろん、デイサービスや老人ホームなどでの高齢者施設での感染例もチラホラと耳に入ってきました。ご年配の方に対するBA.5の病原性はまだまだ予見できませんが、私どもとしても最悪の事態に備えているとところです。

「第7波に備えて、どんな対策をされておられますか?」

というのは、最近非常に多くの方にご質問いただきます。

その内容は多岐にわたりますが、最も大切なのは「己の気(情熱)を高めること」です。根性論です。

・猛暑の中、汗だくになりながら防護服を着て、往診に回り、適切な医療を通じて患者さんに安心を届けなければならない。

・病状に応じた環境調整を保険者や病院、医師会の窓口と頻回に取り合わなければならない。

・もしかすると入院できない患者が出るかもしれない。そうなれば厳しい話をしなければならない。

・職員の感染防御やメンタルケアも徹底しなければならない。

・自分の家族ケアも忘れられない。

・そして何よりも、コロナ診療と並行して、既存の患者様の診療も高いクオリティを維持しなければならない。

これらのことを短期間(で済めばいいのですが)に昼夜・休日関係なく没頭しなければならないわけで、心のギアを数段上げてその波に対峙する必要があるのです。

「どんなに過酷な状況となっても、困っている患者さんを一人も取りこぼしたくない」という、”子供じみているねぇ”と捉えかねない情熱を燃やし続けないといけないわけです。自分の中のジェットエンジンを始動する感じといえばわかりやすいでしょうか。

とにかく今は、嵐の前の静けさかもしれません。今から己の心身をととのえ、どのような波が来てもその職責を果たせるように気を引き締めております。

どうかこの準備が無駄骨で終わりますように。