おちつくコロナに舞う花粉

おちつくコロナに舞う花粉

2022.3.15
院長ブログ

3月に入り気温が一気に上がったと感じています。往診車のスタッドレスタイヤをいつノーマルタイヤに戻すべきか迷っています。流石に関東平野で雪が降ることはもう無いだろう、、、と思っています。

暖かい気候がやってくるとともに、1,2月に猛威を奮っていたオミクロン株の勢いが落ちてきているように感じています。もちろん、パラパラとは陽性の方は出ていますが、その数はぐっと減っています。高齢者へのブースター接種が済んで2週間位経過すれば波は減るだろうと思っていましたので、予想通りではあります。

第6波の考察も徐々に始めていますが、やはりラゲブリオという抗ウイルス剤を手にできていたことはとても心強かった。その後も様々な抗ウイルス剤の話が出ては来ていましたが、やはり様々な制約のある往診の場で処方しやすいラゲブリオはたくさん処方する機会がありました。

ラゲブリオを投与した患者様は皆重症化することなく回復されました。しかし、ラゲブリオ投与と患者さんのアウトカムにどの程度の因果関係があるのかと言及するのはとても難しいです。もともと”ラゲブリオですみそうなくらいの軽症さ”の方もいて、そういう方ですとラゲブリオ抜きでも重症化しなかったかもしれないからです。「ラゲブリオ投与→回復」はただの前後関係だった、という可能性があります。

・・・とまあ小難しいことはおいといて、ラゲブリオのみならず、往診の場で抗ウイルス薬が使用できたのは第5波までではなかったことですので、繰り返しになりますが今なお心強い。

第5波までは、目の前に新型コロナという”種火”があり、その周りに基礎疾患という”燃えそうなもの”があって、「これは火が燃え上がっていくだろう」と考えられる患者さんに対してでも、ただ燃え上がるのを指を加えて眺めるしかありませんでした。炎上したあとの”消火活動”の手段としてはステロイドしかなかったわけです。

これが第6波では抗ウイルス薬という”火種を消しうる消火剤”があったわけですから「この人は燃えやすい要素がたくさんあるから、早いとこ種火を消しとこう」という対応が取れたわけです。

ワクチンと抗ウイルス剤のおかげで随分と戦いやすくなったと感じています。ですが新型コロナを軽視できるかというとそうではなく、やはりノーワクチン、基礎疾患++という方では一気に増悪して抗ウイルス剤が間に合わない、ということもありますので、特に高齢者にとって新型コロナが脅威であることには違いは有りません。

現在、”まん防”の解除が活発に議論されているようです。それについては、一介の町医者として賛成でも反対でもなく、”よくわからない”というのが正直なところです。現況に合わせた”丁度いい向き合い方”が社会に求められていると思います。

さて、最近はコロナが落ち着いてきましたので、13日(日)は自然の空気を吸おうと久しぶりに奥多摩に出向きました。しかし、ふんだんなスギ花粉を含んだ”黄色い風”に僕の結膜はノックダウンされ、ほんの数分後には涙ながらに帰途に付きました。

外回りする僕たちにとっては厳しい季節となりました。また、コロナ禍ですので患者さんの前で鼻をすすったり咳をしたりくしゃみをしたりもしにくい世相です。コロナも花粉も早期収束してくれと心から願っています。

療養中の患者様、療養明けの患者様が、一日でも早くお元気になられますよう心からお祈り申し上げます。