第6波:高齢者へのブースター接種を急ぎます
2022.1.14
院長ブログ
「今回は大騒ぎしないんですか、院長」
という声が想像よりも多く届いています。
前回のブログでも言及しましたが、私は発生者数そのものよりも、現在台頭する株の病原性やどういった患者層に広がっているかということを特に注視しています。
数だけをみて右往左往しているわけではありません。第5波で声を上げたのは、「ワクチン未接種者がデルタ株に感染すると大変だ。命を守る行動を取らないと危険だ」とまじまじと感じたからです。
現在第6波は若年層を中心に蔓延しているが重症化率は低いと、前線の医師の声や、各種報告をもとに理解しています。
ただし、第5波の時にフレッシュな抗体で守られていた高齢者の多くが現在ブースター接種を受けておらず、抗体価減少に伴いCOVIDー19へ脆弱になっている可能性が危惧されます。
オミクロン株が猛威を振るう沖縄県でも、少しずつ高齢者への感染が拡大してきているようです。まだまだ高齢者のオミクロン感染者の背景や転帰の情報は少ないものの、今後重症化した高齢患者による病床逼迫の恐れがあります。
東京都でも、高齢者施設でのクラスター発生の情報が入ってきています。
今は重症化しにくい若年層の行動になるべく制限をかけずに社会経済を維持させつつ、脆弱かもしれない高齢者を守る、という非常に難しい舵取りが要求されているように思います。
現時点において最も大切なことは、高齢者のブースター接種をできるだけ早く行い、第5波の時の同じように高齢者をフレッシュは免疫でCOVIDー19から守ってあげるということでしょう。
当院でも、かかりつけの患者さんのブースター接種をどんどん進めてまいります。
第5波の時のような悲劇が再燃しないことを、1人の医師として心から願っています。