まだまだ気を抜けません。というより、まだ“渦中”です。

2021.2.2
院長ブログ

およそ1ヶ月前は年末年始でした。この頃はと言いますと、COVID19は年越し気分で浮ついた若者を中心として急峻に増加しておりました。

その後は非常事態宣言の効果もあり、一見患者数だけは減少しているように見受けられます。しかしながら、この1ヶ月の間にじわじわと患者層が横の広がりを見せ、病院や高齢者施設でのクラスターが頻発するようになっているようです。そのため、多数のリスク因子を有する高齢患者が増えており、医療介護の現場ではますます緊迫感が高まっているのが実情です。

減少する患者の数だけ見て気を緩めている場合ではありません。

先日Yahoo!ニュースを見ていて、とある記事が目につきました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dd664931e08656a7d1c686324fbffb220428ade3

感染対策はプロのいない施設に丸投げ。少ない職員で多くの利用者を守らなければならない。利用者にマスクを着用させるように努力しても、認知機能が低下した方はその必要性を理解できずにすぐに剥がしていまう。換気のために窓を開けても、利用者が「寒い」と不穏になれば閉めざるを得ない。トイレ介助、入浴介助、体位交換、おむつ交換、着替えなどは職員と利用者が密着してしまう。リハビリのための「パタカラ体操」も飛沫を促してしまうが嚥下力低下を憂いるとやらねばならない。ギリギリの運営をしながら1人でも感染者が出れば2週間休業。飲食店とは異なり休業補償はなし。

救われない。

クラスターになってしまっても、プロによる感染対策の指導が入るまでには相当の時間がかかり(入らないこともある)、現場に残った少数の職員が正義感と見様見真似の防護服を被身に纏って、クラスター化した建物中で感染した利用者のために身を粉にして働いている。

たしかに国はガイドラインを出して施設の感染対策を啓発しています。しかしながら、あんな小さな文字で小難しい文章なんて読んでもなかなか理解できない、現実的に行うのは限界がある、という施設管理者の声を何度も聞きました。それでも、なんとか理解しようとしてできる限りの対策を講じる。それでも、ウイルスは網の目を掻い潜る。病院でだってクラスターが発生するのだから、高齢者施設では尚のことです。

僕の存在はあまりにも小さいので国に意見しようなんて現実的ではないですが、受難の渦中にありながらも利用者のために自己犠牲を敷いている施設職員と、陽性になってしまった患者のためには、医師としての職責を果たさなければと思っています。

なぜ僕たち医療者が修行僧のような悦楽のない私生活を送り、目に見えない敵を前に逃げ出さず現場で戦うことができるのか。それは、現在から未来のCOVID19患者を救い、食い止め、普通の日常を取り戻したいからです。決して(なぜか)執拗なまでにオリンピックをやりたがるナントカさんためではないのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e58e89b757cd32ed1a31e63320cfc0be854b82a

どうもこの思いや憤りはどうもナントカさんたちには通じていないようです。