医療崩壊とは

新型コロナウイルス感染症の中等症患者は原則自宅療養とするのか、あるいは入院とするのか。

最新の政府の発表では後者を原則とすると方針転換が”転換”されました。

率直に申し上げて私としては療養場所の議論をどうするかというのは、陽性者が増え続ける現状では不毛なことのように思います。これだけ数が増えると、原理原則を超えた物理的な制約により療養場所が”決定”されてしまう(入る病床がない)からです。

中等症II(呼吸不全あり)の患者さんは原則入院加療の方針ですが、軽症から中等症に悪化したらすぐに入院させられるのかというとそうではありません。そうなると、我々訪問診療医が直接自宅に赴いて、限られた資源と知見を最大限生かして治療介入する必要があります。

しかし、我々による訪問診療も際限なくできるわけではなく、どんなに頑張っても一人の医師が1日5人くらい見られるか?といったところです(患家への移動、防護服脱着、診察、関係各所との連絡などには時間を要します)。当院は連日4-5名の医師が稼働していますので、20-25人/日が最大診療能力ではないかと試算しております。

大森医師会では鈴木央先生をはじめとして医師会の強力なリーダーシップの元で自宅療養者の支援がなされていますが、8月末には東京での感染者が10000人を超えるのではという信頼性の高い試算が出ており、こうなると開業医が総力を結集しても取りこぼされる”中等症患者”が溢れてくることは目に見えています。

当然、直接的な医療が届ききれない患者が自宅で人知れず苦しみながら生命の危機に瀕することになるわけで、それこそが医療崩壊です(岩田先生のツイートがわかりやすいです)。このままのペースではそれが現実になりそうだという危機感があります。

このように病床のみならず自宅療養の現場も日増しに逼迫していく中で、日々電話で患者の健康観察を行ったり入院調整に当たったりされる保健所職員、都の関係職員のご尽力には頭が下がる想いです。僕たちも地域のプレーヤーとして限界まで闘い抜きたいと思っています。

現場の焦燥感を世論に伝えるのは政府の役割かと思いますので、感染拡大抑制につながる共感性がある強いメッセージを国民に伝えてほしいと切実に感じております。

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ひなた在宅クリニック山王

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